カップリングショット、カップリング合成、合成ツーショットなどと呼ばれるデジタルカメラのエフェクトがある。これは画面を2分割して、二人が交互にお互いの写真を撮り、それが合成されてあたかも二人揃って撮影したかのように見えるはずの面白機能だ。携帯電話などでも一部採用されているようなので、ご存じの方も多いだろう。巷ではこの機能誕生と同時にステレオグラムが創出され続けている。かくいう私も古デジカメ蒐集で初めてこの機能を知るに至り、古デジ趣味の派生モデルとして、立体写真を楽しむようになった事は、本編に詳しいが、これは我が家にとって実に約20年振りのステレオグラムブームとなる。とりあえず再掲載で申し訳ないが、我が家のCASIO EX-Z50。

2014

2014

こいつはボディをマスキングされ中身は赤外線カメラ化されており元の写りは試しもしなかったのだが、考えてみたらCASIOなのでベストショット機能があるはずと確認してみるとキチンとあった、カップリングショット。というわけで、デジタル赤外線ステレオ写真を写してみた。平行法でどうぞ。樹の幹は感じが出ていて面白い。

2014

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斯様に古デジたちでステレオ写真を楽しんできたが、やはり不満は残った。まずは我が家のこの機能を持っている古デジたちは基本的に液晶が小さい上に晴天下では見づらい。スナップに関しては全く問題ないが、ステレオ写真では致命的と言える。しかも、モードの説明文がスーパーインポーズされて見にくさは倍増。これに関しては通常の使い方でも気になるレベルだ。さらに問題は液晶だけではなく撮影方法自体にもある。それはカメラの平行移動が大変ということだ。一脚や三脚を使えば良いのかもしれないが、あいにくと私は三脚とは縁のない写真生活を送っているのでミニ三脚しか持っていない。 まぁ、お手軽にやろうという考えから、このあたりはかなり不利なトレードオフではあるのだが・・・。更に言えば、動いているものが撮れないと言う事もある。車を写そ うとしても走行中ならば1枚撮ったら、もういない。これらを克服したいという気持ちが起こるくらいステレオ写真に傾倒しておる昨今、なすべきことは何なのか。。

そもそも、ステレオ写真はカメラの発明と時を待たずして出現している。つまりステレオカメラの歴史自体19世紀から続いている。故に歴史的価値のあるステレオ写真が多数残されており、当時の有名人や風俗、建造物などが現代でも立体に再現できると言う事は素晴らしいと思う。また、これらを撮影したステレオカメラが非常に美しいものが多いと言うのもガジェット好きにはたまらない部分だ。機械式カメラの美しさを堪能できる機種が多数あり、欲しいなぁと思う反面、使わないよなぁという気持ちも起こり、手を出すには至ってない。この写真の誕生と共に起こったステレオ写真のブームを第1次ブームとすると、1990年代に起こったステレオグラムブームが第2次ではないだろか。これは貴方も記憶していると思うが、大ブームだった。写ルンです用ステレオアダプターやPENTAXのステレオアダプターDセット(実際はブーム前に存在していたようだが)など、自分の手でステレオ写真を写せるアイテムから、CGを駆使したステレオグラムやステレオ写真関連の出版物も多数登場した。また、各地のミュージアムで展示会が催されたり、テレビなどでも取り上げられるなど、日本的「裾野の広がり方」を展開して現在にまで、その遺伝子を残し文化として定着させたムーヴメントだった。カメラのブームとしても、トイカメラブーム、ミニチュア写真ブームと並ぶ大きな足跡ではないだろうか。また、写真測量、実体視などという豆知識も当時のマニアを喜ばせたりした。我が家でも、アダプタは勿論のこと、関連書物も20冊ほど蔵書していた(アラーキーの写真もあるのだ)。そして第3次ブームと言えるのが、2010年テレビ3D化元年と呼ばれたデジタル3Dブームであろう。各メーカから3D観賞用ディスプレイ、テレビ等々が発売され、いよいよ3D時代かなと思われたのもつかの間今ひとつ弾けることはなかった。アミューズメントパークのアトラクションや映画で楽しむ程度が丁度良いという空気が流れたのも事実で、それでも確実に新たな3D映像ファンを作り出したのではないだろうか。ただ、現在から俯瞰すると新たな市場を作ろうとする作り手側のブームだったなという印象は否めない。メガネが必要だったり、見る位置が限定されていたりと個人で楽しむには障碍が大きかったと思う。将来3Dホログラムが個人で楽しめるようになれば、また、ブームは起こるかもしれない(サッカーや競馬が楽しめれば、それは買いw、いずれにしろコンテンツの量が大問題)。。そんな中で、成功したと思われるのがニンテンドー3DSではないだろうか。裸眼で見られるし、3D写真も撮影できるし、コンテンツも多い。何より出荷台数がそれなりにあるのは強いと思う。また、それとは次元は違うが、デジタル3Dカメラもいくつか発売された。機械式カメラ同様レンズが2つ必要なわけなので、ひと目見て只者ではないなという感じがして、特別なカメラと言った印象だった。SONYやPanasonicはもちろん、海外メーカやTAKARA TOMYまで(参照:フィルムだが、HOLGAからも)様々なモデルが登場した。第二次ブームで育った私にとっては夢のカメラで、それらで撮影したデジタル3D画像を分離させて裸眼立体視で楽しむだけで十分満足出来ると思わせた。19世紀、20世紀、21世紀と脈々と続くステレオ写真ブームに私も丸乗りしようとした時に、これらの3Dカメラを買っちゃおうと考える事はごくごく自然なことだと思いませんかw。。

ということで、今すべきことはカメラを買うといういつもの結論で面目ないが、このweblogはそもそもこういう企画なので、今回も自腹を切ることにした。さて候補だが、ニンテンドー3DSは魅力的なのだが一旦保留で、今回はズバリ3機種。

Panasonic LUMIX DMC-3D1 (2012年 2月16日発売)

SONY Bloggie 3D MHS-FS3 (2011年 4月22日発売)

富士フイルム FinePix REAL 3D W3 (2010年 9月 4日発売)

2015年7月現在、全てとっくに生産終了品。。今後の新商品に期待したいところではあるが、現状手に入れることが出来る機種で、ある程度の満足が得られるのはこいつらかなぁと考えてのピックアップだ。当然新しい方が画質的には有利だろう。まずは普通のデジカメを選ぶように比較してみた。最初に外観だが、Panasonic>SONY>富士フイルム。
Panasonicは普通のコンデジにレンズを追加しただけというデザインがインパクト大だ。歴史あるステレオカメラの正当な遺伝子を持ったデザインと言える。SONYは2つのレンズをデザインに取り込んで新しい顔を作り上げておりクール。さすがSONY。背面のデザインまで入れるとこちらが良いかもしれない。富士フイルムはかつてお家芸だったスライド式レンズカバーを採用しており、これがつまりは余計な一手間で先の2機種がシンプルゆえに気になる。可動箇所は少ない方が壊れづらいわけだから。その代わり、レンズ収納時にはガジェット感がUPする。
つづいて、センサーとレンズ。
Panasonic、1/2.3型 総画素数1280万画素高感度MOSセンサー×2 レンズ35mm判換算:25~100mm
SONY 、  1/4型 総画素数510万画素? “Exmor”CMOSセンサー×2 レンズ 35mm判換算:47mm
富士フイルム、1/2.3型 有効画素数1,000万画素CCDセンサー ×2 レンズ 35mm判換算:35~105mm
圧倒的に不利なのがSONY。ただし単焦点レンズ採用は好みだ。Panasonicと富士フィルムは同じ撮像素子サイズだが、かたやMOS、かたやCCD。画素数的には富士フイルムの方が少ない分好印象だが、高感度では不利だろう。どちらもズームレンズ搭載だが、25mm始まりのPanasonicの方が好ましい。ここまでで私にとって一番価値のあるスペックはPanasonicの25mmレンズとなる。次にソフト面をみると、デザインのところで触れたPanasonicの普通のコンデジにレンズ足しちゃった感じは機能にも現れていた。とにかく普通のコンデジとしての機能はカバーされているようだ。連写もAF連写で秒4コマとはハイスペック。。SONYは割り切ったスペックだ。動画に特化した感じ。内蔵メモリ8GBは立派。富士フィルムもコンデジとしての機能はひと通り揃っているがAF連写はない。
以上は2Dに関する部分だが、3Dカメラとして見た場合、結構違いがある。最大の違いが背面液晶だ。私は基本的に裸眼立体視にコダワリたいので普通の液晶で十分と考えているが、3D観賞用の液晶になっていた方が嬉しいw。。Panasonicのみ2D液晶で、SONYも富士フイルムも3D液晶を装備しているのは大きなアドバンテージとなる。次にレンズの間隔。これは狭いほど立体感が出にくく、離れているほど遠景に強くなると言った認識なのだがどうだろう。おそらく私は少し離れた被写体を撮影することが多くなると考えているので、ことレンズの間隔という比較では富士フイルムが圧勝。逆に狭ければマクロも行けるだろうと思うのだが、一番レンズ間隔の狭いSONYにはマクロモードがついていないし、しかもフォーカスはパンフォーカス。その点Panasonicは狭い間隔を活かしたマクロにも対応している。この時点でおしゃれ番長のSONYとはご縁がなかったということになった。
競馬を撮る身としては、Panasonicの連写には惹かれるのだが、なんと3D撮影はAUTOのみで、しかも絞りは2段階。富士フイルムはP、A、Mと揃っていて、絞りは3段階。この時点でPanasonicともお別れとなる。
SONYはBloggie 3Dと同時にBloggie TouchというBloggie 3Dからレンズをひとつ取ってタッチパネルにしたおしゃれ機種を発表している。また、Panasonicはどちらかと言えば2D側の香りを残しつつ3DAF連写を実現しているが、3D撮影はシャッターを押すだけしか出来ない。2社ともどこか3Dとの向き合い方に違和感が残る。一方、富士フイルムはこの機種が2世代目となり、前機からブラッシュアップされ、より3Dに特化した内容が好印象だ。苦手なマクロに対しても2回撮りで対応、さらに遠景も時間差2回撮りが用意されるなど多様性があり3Dに対して貪欲だなと感じる。そして、決め手はFinePixブランド(結局それかい)。古デジタル蒐集という趣味を通してFinePixのファンとなった私にとって3DカメラにFinePixが存在するということ自体が運命的と感じる。もう一つの決め手は、多分どうでも良い事かもしれないのだが、スペースカメラであるという事だ。スペースカメラとは簡単に言うと宇宙で使われたカメラの事。最も有名なスペースカメラは月面着陸を撮影したHasselblad。60年代から宇宙航空の世界で活躍している。その他、ニコン、MINOLTA、Kodakなどなど数多くのカメラが宇宙に出掛けている。その中に富士フィルムの3Dw3の名も刻まれているのだ。カメラコレクターにわざわざスペースカメラだけ選んで集める人も居ないと思うが(実際に使われた個体ならアリだろうけど)、それでもひとつは欲しいかな。これも私の年代が関係しているかもしれない。将来、宇宙空間へのアクセスが簡易になれば全く意味を持たないステイタスではあるのだが・・・。というわけで、ターゲットはFinePix REAL 3D W3に決定。。
後は注文するだけなのだが、価格ドットコムに登録はないし、プレビューでは1万円台で買えた時期もあったらしいが、古デジ徘徊コースに出物もなしで、しばらく悩む。。しかし、結局、困ったときのAmazon様。中古で25Kを2件発見。他には40kほどの個体も。。ほぼ新品ということで25Kで発注した。翌日、もう一つの25Kも売れたかなという興味で見てみると、新品24kが3件UPされている。そりゃ無いよ~。。いや待て、まずは昨日の注文のキャンセルが可能かチェック。。1時間後、キャンセル完了。その間まだ売れずに24Kが残っていたので改めて購入。その後2時間で残りも完売。ギリギリセーフ。。まめにチェックしないと損するな。。しかし、狙っている方っているんだなと実感。。展示品だと嫌だなぁと思っていたが、長期在庫だったようで未開封品が到着した。
カメラを物流の上流で手に入れるという贅沢はそうそう出来ない。新品はいつでも高価なものだ。それでも、今回は買って良かった。背面液晶で3Dを楽しめるというのは考えていた以上のインパクトがあった。これで3D映像が気に入れば、別途ディスプレイを揃えるなど発展させていけば良いし、とりあえず3D映像を背面液晶で確認しました・・あとは裸眼立体視で楽しむという私のスタイルでも全然OK。ムービーは専門外なので使わない。そちらに興味のある人は全く違う選択肢があるのだろうなと思う。
さて、エフェクトとしてのカップリンクショットと3D専門機で何が違うのかと言えば、「お手軽」という点で大きく異なる。カップリングショットは確かにお手軽立体写真撮影と言えるが、それは専門機材ではないけど、それなりに楽しめるという点でお手軽であり、一方専門機はただシャッターを押すだけでよろしいというお手軽さだ。また、背景の処理も綺麗になり(カメラを移動させなくて良いので)、編集作業も簡単だ。富士フィルムの「FinePix Studio」を使用しているが、シンプルで使いやすい。そして、古デジとの最大の違いが、液晶が大きいと言う事だ。普通の撮影では液晶の大きさを気にすることはないが、3D撮影は立体の効果を確認出来た方が便利なのだ。

実際に撮影してみた。

ステレオ写真 平行法 2015

ステレオ写真 平行法 2015

 

ステレオ写真 交差法 2015

ステレオ写真 交差法 2015

 

?うん、楽しい。。。これだけ写ればオンノジ。満足。祠と壁との距離感や、屋根に掛かる枝などがしっかり描かれていると思う。
予想通り高感度のノイズはかなり出るが、ステレオ写真ではそれほど気にしなくても良いかなと考えている。起動は普通。AFも普通。速くはないが、私には十分な性能だ。デザインも先の3機種中最下位としたが、実機を改めてみると、マットなブラックボディと黒ニッケル的な金属部がマッチしており普通かなw。。欲目かもしれないけど。
ただ、いくつか問題点もある。口コミ等で分かって事なのだが、指の写り込みが半端ねぇっす。左指が入ってしまうという報告を多数見かけたので、対策としてManfrottoの折りたたみ式ミニ三脚を合わせて購入したのだ。これは左手で三脚の小さな足をつまむ感じでホールドすれば写り込まないよという作戦だった。ところが、左手は思惑通りだったのだが、右の中指が写り込んしまう。親指はモードダイヤルのくぼみに、人差し指はシャッターにとここまでは問題ないのだが、中指がレンズの上って。。。これは慣れるまで相当時間が必要だと思う。斯様にホールドが甘くなっているところに追い打ちをかけるようにボディがツルツル。何度も落としかけた。ストラップは必須だが、それだけではいつか落とすと思う。ということで、試し撮りしたその足で100均によって、靴用すべり止めラバーシールを購入しレンズカバーに貼り付けた。これで何とか保持力が向上。レンズカバーの開閉の際にも指掛かりが出来て使いやすくなった。このへんは古デジ弄りの成果で、新品でもタメライなし。
2015

2015

ミニ三脚の意外な効能が右親指の付け根に三脚の足があたってホールド感が高まるところ(下の写真)。三脚自体はネジ止めだが、完全に締め切らないで余裕を持たせ、三脚全体を半回転出来るくらいの締め付けでセットすると、バッテリーやメディアの取り出しも簡単になった。念のためストラップにはメダル型のアイテムをペンダントヘッドのように通してドライバーの代用にしている(このミニ三脚はマイナスネジなのだ)。

2015

2015

古デジから再燃したステレオ魂は行き着く所へ行ってしまったが、撮影自体は試行錯誤中で、どんな被写体が3Dに向いているのか模索は続く。フィルム時代には憬れだった立体写真機がデジタル時代になって手に入れられるとはありがたい事だと思う。ニッチなガジェットなので後継機種は期待出来ない。短いデジカメの歴史の中の一瞬のキラメキなのかもしれないな。

つづく。。。。

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