以前このブログでチラと書いた子供向けのミニ本「こどもポケット百科 みんなのカメラ教室 実業之日本社」(1977年)という本を数年前に手に入れた。子どもの頃にお気に入りだった本だ。ネットで正式なタイトルが知りたくて調べていたらamazonで売られていたのだ。0.001K。100%懐かしさのみで購入した。

2016

こんな表紙。ここに写っっている子らもジジイになったろうね。あとボーダーは不滅だね。届いた本は年代なりに古くはなっていたが想像していたより状態は良かった。私自身が持っていたものはもっと傷やめくれがあったはずだ。ただ本品は のり の状態が悪く十数ページがごそっと背から外れていたので修復した。ちょうど紙に使える接着剤が修理道具の中にあったのだ。ページをめくると当時の思いが蘇ってくる。何度も書いてきたが私にとって子供の頃のアコガレのブランドはOLYMPUSとCanonであった。そしてその思いはもしかしたらこの本が作ったものかもしれないと急速に確信し始めたのだ。というのも、これは私だけの思い出ではなく本品の前オーナーも全く同じ思いに駆られていたと思うのだ。本品には、ページのハズレこそあったが落丁やカビすらないすなわち当時子どもだったにも関わらず本を丁寧に扱ったであろう前所有者がただ一箇所だけ書き込みを残していた。私はそれを見て微笑みを禁じ得なかった。子供向けの本なのである程度は覚悟しているとは言え、やはり買った本に書き込みがあれば不愉快と感ずるのが一般であろうが、こと本品の書き込みには共感を覚えたのだ。

2016

この本は結構分厚いのだが、ただ唯一の書き込みがこれだったのだ。OLYMPUS OM-1 価格:74,500円にアンダーライン。実に子供らしい直情的なやるせなさの表現ではないだろうか。私も当時このページを飽く迄眺めた。何時かはOM-1をと思い続けたあの頃。この本の所有者だった誰かは夢を手にする事が出来たのだろうか。なにか見知らぬ仲間が出来たような気分になった。
私は最初のデジ一をEOS kiss DIGITALにした事により将来に渡りメインマウントはEFに決定しOLYMPUSは遠のいてしまった。2009年のPEN DIGITAL(EP-1)の出現には心踊ったが、デザインがどうしても好きになれず、ますます縁遠くなった。最近はついに本物のOMブランドのデジ一が登場したが、高価すぎて手が出ない。OMへの道は今でも遠い。しかし、折角始めた古デジカメ蒐集なのだから最後はOLYMPUSの一眼で終わらせたいという思いは強かった。PEN DIGITALの出物でもあれば確保するつもりにさえなっていた。でも、いつからかE-1を探すようになったのだ。
2003年10月発売だったE-1は同年9月発売のEOS Kiss DIGITALと競合した機種だった。。当時はCanonを選択したが、もし私のメインモチーフが競馬でなかったなら、あるいはOLYMPUSのオーナーになっていたかもしれない。
E-1は忘れ得ぬ機種であった。発売当時に量販店の展示品を触っただけであったが、その感触は実に良かった。見やすいファインダーと手に馴染むフォルムは流石だなと感じた。さらにその出てくる画。私は99%jpeg撮影なので、そのメーカの画作りの特徴はそれなりに選択のファクターとなる。E-1の画の強烈な個性は琴線に触れるものだった。これを作り出すのはレンズも一役買っているが、何より「拡張版KAF-5101CE CCD」というKodak製の撮像素子だということが分かったのは蒐集を始めてからだ。同時期に発表された LEICA Digital-Module-RもKodak製だった。OLYMPUSも好きでKodakも好き。探す理由や購入理由はこれで十分だろう。
今回の集古デジカメでは5台のKodakブランドのカメラを紹介した。奇面のデジカメKodak EasyShare V570と意外性のエントリー機Kodak EasyShare C360 Zoomでの派手な発色は私の好みだった。この2機種の撮像素子がどこの製品なのかは分らないが、実に所有欲を満たしてくれる写りだと感じた。E-1のCCDを調べていると同CCDを搭載している機種はE-1の他にE-300、E-500、E-400と3機種もあることが分かった。発売当時に追っかけていたらこんなことは常識レベルだろう。これらの写りはごく一部の人々の間ではKodak BLUEと言われKodachromeと親しい発色をする機種として人気があるようだ。私が気に入った画はポジフィルム調の創りだったのかもしれない。当然フィルムとデジタルは違うだろう。だから「調」としている。私はそれで十分だ。そこで、捜査範囲を広げて上記4機種を探し、最初に引っ掛かった機種を確保することにした次第。・・・と前置きがかなり長くなったが、今回紹介する機種は 憧れのOLYMPUS一眼レフである。子供の頃の想いは大きな輪を描きデジイチへ辿りつき輪を閉じた。

確保したのは、OLYMPUS E-1

2016 OLYMPUS E-1

 

OLYMPUS E-300

2016 OLYMPUS E-300

 

OLYMPUS E-500

2016 OLYMPUS E-500

そして、KodakのCCDではないが、勢い余ってE-3

2016 OLYMPUS E-3

の4機種だ。E-5まで行かなかったのは、値段の問題もあるが、そもそもKodakのCCDが目的であったのだから話が違うだろうと自ら抑制したのだ。そして正直に告白すると現在手元に残っているのはE-1とE-300だけとなっている。理由は保管スペースに限りがあるという事とデジイチがいっぱいあっても使い切れないという当たり前の理由からだ。じゃあ何故買ったのかと言えば使ってみたかったという趣味としてこれまた当然の理由からである。

E-300 2015

いつもの立木。デジタルカメラにロマンを残すとしたら撮像素子による写りの違いではないだろうか。古いデジカメで写したらこんな感じなったよと言う所で楽しみたいものだ。正直現在のCanonの二桁デジイチの味付けが案外このE-300に似ているのではないだろうかと密かに思っている。画像ソフトでイジれば似た画は出せる。デジカメは道具だからそれで納得できるのなら良い。良いけれども古デジカメを嗜む精神は同じような処理の画を並べて区別がつかないよねといった事では満足できない。

E-300 2015

とにかくこの画を自ら撮影し得たと言う事で満足したのだ。これでいいのだと思えた。もうこれ以上はないだろう。古デジカメにこれ以上は求めまい。大きな輪がピタリと閉じて、出会うはずだった古デジカメ全員に会えたのだと実感した。

E-300 2015

これで私の古デジカメ蒐集狂想曲は終演となった。

E-300 ロードアルタイル 2015 東京競馬場

グラスワンダー × ドナマッハ(アドマイヤベガ)の牡馬。鹿毛。菅原欣也厩舎 (金沢) 。生産・平取町 協栄組合。

E-300 2015 東京競馬場

カメラ関係のブログで高価な買い物をした際に「あとは撮るだけ」などと言い訳がましい事を書いているのをよく見かける。実際にそうなのかもしれないが私の場合は少し違う。と言うか大抵の人は同じだと思うが、まず所有を楽しむのではないだろうか。

E-300 2015 東京競馬場

私の場合はネットで同士を探す。同じ機材を使っている人のブログなどを拝見し楽しむ。既に所有しているのだから、どんなに良いことが書いてあっても羨ましがることはない。ただ楽しいだけとなる。

E-300 2015 東京競馬場

古デジカメ蒐集期間中は基本的に一期一会の浮草。無いものを探すよりは既に所有できたものを検索することが多かった。発売当時の記事から私と同様に最近拾った記事まで読んでいるだけで楽しかった。読むのに忙しくてなかなか使わないという感じもまた良し。

E-300 内田博幸騎手 2016 東京競馬場

そして、そんな楽しみもすっかり忘れた頃。残された古デジカメと私の関係はついに「ただ撮るだけ」となった。

E-500 ケンコンイッテキ 2016 東京競馬場

ナイキアディライト × クロスマイハート(スペシャルウィーク)の牡馬。青鹿毛。田島俊明厩舎 (美浦)。生産・新冠町 ハシモトファーム。

E-500 2016 東京競馬場

E-500の写真は、るーさんのフォルダからピックアップした。芦毛率が上がる。

E-500 2016 東京競馬場

彼女は今回の集古デジカメに全く無関心であった。

E-500 ストラディヴァリオ 2016 東京競馬場

クロフネ × ビューティソング(デインヒル)。芦毛。妹にココロノアイ。

E-500 レンディル 2016 東京競馬場

Danehill Dancer × Streetcar(In the Wings)。芦毛。

E-500 2016 東京競馬場

ただ、友人にはどうせやるならもっとオシャレなものでも集めればいいのにねぇとこぼしていたらしい。私はEOSしか使ったことのない彼女が使いにくいなぁとかファインダーが暗いなぁと文句を言いつつも軽いという理由だけでE-500をチョイスし競馬場で撮影している姿を見て妙に感動した。それは古デジカメを現代の動体撮影のメッカで使用しているという事も原因の一つかも知れないが、それより何より古臭いOLYMPUSのロゴの入ったストラップを懸けていた事が大きな理由だと思う(上方の写真参照)。その時、その時点で私たちは似非ではあるが、傍から見れば間違いなくオリンパスユーザーだった。

E-1 2016 TCK

わが家ではメーカのロゴ入りストラップは使わない。Canonのストラップは勝手に赤い人にされてしまうから好きではない。

E-1 2016 TCK

古デジカメのストラップは回収後に即捨てだ。誰が使ったかわからない所が気持ち悪い。ただ、余程気に入ったものについては洗濯してから使っているものもある。E-500のストラップは未開封だった。それでも一度洗って使っていた。赤や黄色のように主張せず抵抗の少ないデザインだったのも良かった。

E-1 2016 TCK

最後の最後に古ストラップで撮影するという愉しみを知った。前述通りE-500は処分しストラップもなくなってしまったので、似非オリンパスユーザーごっこも終わりだ。所詮、Canonという帰る場所があって出来た遊びなのだろう。念願のOLYMPUSのデジイチであったがシステムをまるごとシフトできるわけもなく現在では箸休め的存在となった。

E-1 ブラックレッグ 2016 TCK

タイキシャトル × マイビッグアップル(マンハッタンカフェ)の牡馬。青鹿毛。的場直之厩舎 (大井)。生産・様似町 林時春氏。

最後にレンズの所感。一眼レフだからね。
フォーサーズのレンズは色々・・・と言っても4~5本だが試した。そして最終的に所有しているのは2本である。その内の1本は、ただの箸休めではない。主役を食ってしまう力を秘めた箸休めだ。このTCKでの写真はその1本で撮影している。ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWDだ。これはかなり無理をして手に入れた。中古で50k弱だった。新品は100k前後だから全く手が出ない。描写はLレンズと比べてしまうほどで、Lレンズ並と評してみたい。実際は比べるものではないのだが、私の基準はそこにあるので許して頂きたい。

ボンちゃん 2016 TCK

正直フォーサーズにここまで期待はしていなかったのだ。遊べればよかったのだ。そして実際遊べるし、それでいて実に頼もしくもあったのだ。

ボンちゃん 2016 TCK

残されたE-1とE-300には当然のことながらOM-1の面影はない。でも、現代のOMデジタルにはないであろうこの描写は昔憧れたOLYMPUSへの懐かしさを感じるのだ。OLYMPUSのデジイチとZUIKOと冠されたレンズを手にしただけで私は輪を閉じる事が出来たのだ。

クリスフォンテン 2016 TCK

リンカーン × アイムソーラッキー(シンボリクリスエス)の騙馬。黒鹿毛。井上弘之厩舎 (大井)。生産・登別市 登別上水牧場。

 

さて、私の漂流と漂流物に関する報告はひとまず終了した。またいつか、こんなに熱を持って何かを蒐集することがあるのだろうか。精神的に子供だから、その内にまた何かに出会うことがあるかもしれない。もう良いやと思ってしまったら何も始まらないと思う反面、いい加減落ち着けよという気持ちもあるが、人間はそうそう変化できるものではないと思っている。熱しやすく冷めやすいからコレクターには成れなかった。それでもカメラはそばにいる。私の周りに普通に存在している。

fin

Comment

  1. Chammy より:

    こんにちは 最近 EX-P700を入手致しました。
     今のデジカメとは解像度は相当落ちますが、
     気品があるカメラで大変気に入っております。
     大変 参考になりました。
     ありがとうございます。

    • マツ より:

      >Chammy様
      こんにちは。
      書き込みありがとうございます。
      そして、入手、おめでとうございます。
      私の場合、形もプリント文字も重さも材質も、なにか懐かしく
      大いに所有欲を満たしてくれました。背面液晶も面白いですし。。
      秘境でこっそり自己満足で運営しているつもりなので、
      誰かのお役に立てるとは想定外でした。良かったです。

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