今回は富士フィルムのヒット商品だった縦型FinePix 1700Z。

2014

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縦型FinePixを紹介するのは2台目となる。その発売は1999年9月まで遡る。1999年と言えば、私の世代にとっては特別な年号であった。1999年7の月、恐怖の大王が・・・と、ノストラダムスが予言したと書かれた「ノストラダムスの大予言」という著書が大ヒットし、一大ブームを巻き起こしたのが1973年の事らしい。当時私は子供だったので、どういう経緯でこの騒ぎが起こったのかという原因にまで頭が回らず、ただ、地球が滅亡するというイメージだけを植え付けられた記憶がある。結構信じていたし、周りの友人達も同様だったと思う。不思議と1999年に自分がどう感じていたのかは全く覚えていない。大人だったしね。2000年にノストラバブルがはじけて、そんな噂もすっかりなくなったが、今となっては逆に、読んだことのない「ノストラダムスの大予言」を読んでみたいような気もする。ベストセラーだから今でも中古ショップにありそうなものなのだが、近所の古本屋では全く見つからなかった。しばらく探すことになりそうだ。ヒットした商品ほど中古が出まわるのは当然のことで、私もLUMIX F1などで、その威力を実感している。同じようにヒットしデジカメ史に名を残している本機なのだが、私が本機と出会ったのは後にも先にもこの確保した1台のみで、その後、徘徊エリアに現れることはなかった。web上では最近の記事に至るまで本機の情報が溢れている。今まで紹介した機種の中でも多い方じゃないかと感じる。多くの情報を得られるのはありがたい事で、やはりヒットの恩恵だと思う。
富士フイルムの当時のニュースリリースには「驚異的」の文句が踊っている。『高品位なアルミニウム/マグネシウム新合金製ボディに総画素数150万画素の高画質CCD、そして高精度光学3倍ズームを搭載しながら、世界最小、最軽量の驚異的なポケットサイズ』だと謳っている。確かに今見ても小さい。ただその分、分厚い。コートのポケットには入るかもしれないが、シャツのポケットは無理だ。それでもF610より持ちやすい。ラバーグリップが絶妙な位置に配置されているのだ。

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後側にもラバー。ストラップ無しでも行ける。今でも高品位なものづくりを続けている富士フイルムのDIGITAL CAMERAだが、この縦型FinePixシリーズにも実に丁寧な作りのものが多いように思う。これは今のハイエンドデジカメにも通じるのではないだろうか。外観も良いが細部も凝っている。2つある液晶の小窓の方には撮影枚数が大きく表示される他にバッテリ残量や画質設定が確認出来、その視認性は良好だ。大きい液晶にはビューワーの役割の他にメニュー表示が確認出来る。光学ファインダーを利用する時には大きな液晶がブラック画面になり、メニュー表示のみが残るのも面白い。起動時間は4秒前後でミレニアム以前の機種としては速いのではないかと思う。

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起動時には十字キーの三角矢印が赤く点灯しピコピコ音と共にレンズがせり出す演出となっている。この十字キーの三角ランプはそれ以外ではモード切り替え時に光るだけなので(たぶん)、本当に演出のためのスペックではないかと思う。無駄なところに趣がある。

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さらに細部に目を向けると、

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電源レバーや、

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メディア取り出しレバーもアルミで謳い文句通りの品位を保っている。たまにしか使わないからと手を抜くのか、使う度に何かしらの満足を得られるのかは実は大きな違いとなって所有欲すら左右する。そういった意味では隙のない仕上がりだ。燃料は かまぼこ型リチウム電池でメディアはスマメ。どちらもこの趣味には必需品だ。底面にあるバッテリー室のスライド式カバーにもラバーのドットが打ってあり、ちょっとした気配りだが偉いと思う(2枚目の写真で少し確認できる)。

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今、執筆中にどこまでLENSが伸びるのか試してみたが、そこで気づいたのだが、起動時はワイド端ではない。どうりでスナップ時に画角が狭いなとは思っていたのだ。私はズームを殆ど使わないとは以前も書かせてもらったが、基本的に起動した状態で使うので、全く気づかなかった。ワイド端にすると更にレンズが伸びた。おそらくこれは3倍ズームという最新鋭のギミックに対して、(どうアプローチするのかはメーカのサジ加減であって)富士フイルムは標準域で起動すればワイドにもテレにも近いだろうというサービスではないかと思う。撮像素子は1/2.2インチ原色CCD。レンズは既出通り3倍ズーム搭載で換算38mm~114mmのフジノンで絞りはF3.2-5.0と暗め。マニュアルモードはあるが、露出補正ができる程度なので絞りは自動。特に不便はない。

さて、本機は中古カメラ店のジャンク棚で出会った。集古デジカメの初期だった。1.5MEGAでハニカムでもないということでスルーしたが、その後1箇月誰にも拾われずにいた。その間にF610確保という我が趣味の歴史的事件があり、FinePixの魅力を知るに至り、こいつも拾っていこうと宗旨替え。。0.5Kでバッテリー付きだった。なので、動作確認出来たと言うのもピックアップを後押しした。完動品だったが、若干の瑕疵があった。

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いつものペンギンが見ている視線の先に撮像素子のゴミ。これは液晶では確認出来ず、PCで初めて気がついたのだ。縦型FinePixは分解が容易なイメージがあるので、その内ばらして掃除しようと思っている。

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太陽を写したら、光芒が曲がっていた。太陽を構図に入れるのは撮像素子にとって良くないらしいが、いつもやってしまう。

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2つの太陽。。空以外ならゴミも目立たない。光で作られる写真にシミを作る撮像素子のゴミは光を奪う病気のようだ。

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撮像素子のゴミ問題はデジカメの宿命だろう。真の解決はまだないと思う。掃除しなくても良い時代は来るだろうか。どことなく現状で満足しているというか、この事に真摯に向き合う資源がないというか、新機種開発にかまけている感じはある。もっとも、世の中完璧な商品は少ないだろうから、吉報を待ちたいと思う。

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この瑕疵を除けば、15年前のCAMERAとも思えない綺麗な個体なのだ。大切に扱われてきたのか、使われなかったのか、本当に不思議だ。本機以外の縦型FinePixをいくつも見てきたが、そのほとんどは傷だらけだった。

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大切に使ってきたものには、新品にはない貫禄が出るものが多いように思う。機械式CAMERAなどは好例ではないだろうか。ところが、DIGITAL CAMERAはただ古くなる。使い込んで恰好いいと言う事は殆ど無い。キレイであればあるほど価値がある。この辺が家電と呼ばれる理由のひとつなのだろう。

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私は、本機のような瑕疵も、その他の不具合も、個性として心の中で処理している。癖さえ分かってしまえば、それと向き合っていけば良い。ただの家電に愛着がわくのは、相手に合わせようとする自分の気持ちから起こるのかも知れない。

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また、これも何度か書いているのだが、古い機種が年月を経て私に拾われて、現在動いているという健気さに愛着がわく。古いがゆえに生まれるものもある。

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惑星探査機ハヤブサはその健気さから映画にまでなったが、感情的には近いものがある。ディズニーのWALL・Eやあるいはサイレント・ランニング、または天空の城ラピュタのロボットたちもそんな感情を呼び起こすのではないだろうか。

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そんな映画とは比ぶべくもないが、古デジカメたちはお手軽に似たような感覚を味わわせてくれるのだ。これも私がお手軽な証拠かも知れないけれど・・・。

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古デジカメ蒐集で集めたCameraたちは、おそらく私が最後のオーナーだろう。幸せな最後は望めないなと思う。売れそうなものも無いから、貰い手もないかもしれない。せめて使い続けてあげるのが、私の出来る事だ。

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本機は持ち易いし、燃費も良いように感じる。さしたる不満もない。

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使っているととても壊れそうにない。もっとも私のようなゆるい使い方なら、そこそこ長持ちするのではないかと思う。DIGITAL CAMERAの耐久性って本来どのくらいの期間あるのだろうか。LENSの沈胴が出来なくなったり、バッテリーのフタが外れたりすることも、CAMERAの寿命に無関係ではないと思うが、DIGITALの本質の部分で、これ以上は使えないという事態とはどういう状態をさすのだろう?交換部品がメーカーから永遠に供給され続ければ、そのCAMERAは永久に使えると思うが、それは不可能であって、いつか必ず壊れるはず。

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スペックジャンク、陳腐化が寿命だとする人も多いだろう。そうかもしれない。だから、見放されたCameraたちを使っているという状況に自分を置く事が出来ているのだと思う。そして、そのCameraたちは普通に使えるし、壊れそうにないのだ。

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もし、恐怖の大王が人類を滅亡させたとしても、その後の世界には普通に使えるものがたくさん残るだろう。

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私がいなくなった後でも、私のDIGITAL CAMERAたちは次の撮影を待ち続けているかもしれない。

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こんなことを考えるのも、このCAMERAが1999年生まれだからだろうな。

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壊れるまで使うという事がどういうことなのか、はっきりとは言えないけれど、使えなくなるまで面倒をみよう。

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家電コレクターと言われる方の中には予備機を沢山在庫している強者も居られる。

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私もその気持がわかる。気に入った機種を見つけることが出来たなら、拾い上げてしまうかもしれない(今のところダブって所有している機種は3機種)。

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たくさん売れたこのCAMERAも、発売から15年以上経った。完動品はどのくらい残っているだろうかと思う。きっと最後の1台になっても価値が出ることはないと思うが、それはまだまだずっと先の事だろうと思う。

つづく。。

 

 

 

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