2002年に発売されたDiMAGE Xを始祖とするMINOLTAの、そしてKONICA MINOLTAのヒット商品 DiMAGE Xシリーズ。最大の特徴は当時謳われた、光学3倍ズーム機の世界最小、最軽量、最薄型。それを可能にしたのが、屈曲光学3倍ズームで、光を90度曲げて、撮像素子を底面に持ってくるという斬新な構造だった。現在では最小も最軽量も最薄も桁違いなレベルになっているが、高品位を保ちつつ、末裔まで系譜を伸ばした功績は一言、偉いと思う。その歴史を簡単に振り返ると、初代x(2002)→Xi(2002)→ Xt(2003)→ X20 (2003 )→Xg(2004)→X21(2004)→X50、X31(2004)→X60(2005)→X1(2005)と続いた。実を言うと、私個人としては全く興味の無いシリーズだったが、例によって集古デジカメという趣味が屈曲光学を手に入れろと囁いたのだった。屈曲ならSONYのTシリーズだろうということで、頭の片隅にそんなことを入れつつ、ジャンクロード(ジャン・クロードって変換されるなぁ)を徘徊したが、彼らはいつもガラス越し・・・結局転がっているのはDiMAGE Xたちだった。これも致し方なし。KONICA MINOLTAのカメラ事業は2006年に撤退、SONYに事業譲渡されたのだから、まずは単純に古いものからジャンク化していくという法則を当てはめると必然的にDiMAGEが転がされることになる。さて、その中で私が確保したのが、XtとXgだ。この2つ、ほとんど同じ。320万画素、液晶モニタ、光学系と同スペック。
幅85.5×奥行き20×高さ67mm、重さ約120gに光学ファインダー搭載は老舗らしい。
この2機種最大の違いは、メーカー名。
Xtをリリースした直後(2003年8月)にMINOLTAとKONICAは経営統合している。KONICAブランドはフィルムで、MINOLTAブランドはカメラで、それぞれ存続していくという予定だったらしいが、ブランドは統一した方が強いのは常識、新ブランドKONICA MINOLTA押しに方針を一変、Xgはそのブランドを冠するためにラインナップされたXtのマイナーチェンジ版と言える。・・とは、そこら中に書かれている情報。
本機はとにかく小さい。それでいてアルミ合金的ボディに品位がある。このシリーズを使う上で最大の注意点は使って5秒で理解する。それは、ずばり指を写さないように気をつける事だ。レンズの位置が正面から見て右上にあるが、両手で構えると左指がちょうどレンズにかかる。これは片手で写すようにデザインされていると理解する。そのため、右の親指でズームレバーやカスタムボタンを操作できる位置に配してある。しかしながらこの機種はホールド感がよろしくない。引っ掛かりがない。なので、まずは両手で構えてしまう。ストラップは必須でこれを右手に巻きつければ片手での撮影も軽快になる。カスタムボタンに露出補正を割り当てれば、機動力のあるカメラになる。あとはカメラまかせ。起動は激速、AFも読み込みもとにかく速い。メディアはSD。ひとつだけ残念なのは、バッテリーを入れた状態でも電源を切ると次に立ち上げる時にフラッシュの設定がAUTOに戻ってしまうところだ。スナップでは致命的とまでは言わないが、気を使う。このような機種に幾つか出会ったが、フラッシュに重きを置いている感じがレトロだなと思う。これも集古デジカメの味かも知れない。レンズは換算37-111mmと標準的守備範囲だ。
さて、まずはXtの写真から。。
周辺は落ちている。
ノイジーだが、気になるほどではない。
現場では背面の小さな液晶で確認するしか無いが、ホントに写っているのか判別しづらい。てか、何を写しているのかよく分からない・・くらい見づらい。光学ファインダーがあって良かったというか、液晶の見づらさが分かっていたからファインダーを付けたのかもしれない・・・微妙だな。PCで確認するとその場の陰鬱な感じがよく描かれていた。
夜スナップ。。気合が足らないとブレる。
しっかりホールドすれば、この程度は写ってくれる。
これは若干ブレ。
月と指w。
ここからはXg。
良い感じ。優しい。
キャベツたち。。
銀杏並木。意外といじれるデータだった。
葉っぱのつやつやがいい感じ。
寄れる。マクロの描写は良好。
やはり周辺落ち。。
夜スナップは気合がいる。
11月初頭にツリーな街。
周辺落ちに加え、歪みも出る。ソフトで補正を掛けていないのかもしれない。何でもそうだろうけれど、カメラも使ってみないと良し悪しは分からない。見た目とは反して、本機はスナップシューターとしてありだと思う。GR DIGITALと並べても遜色はない。より街に溶け込める自然さは、小さい分だけ本機の方が上かもしれない。惜しむらくはフラッシュ制御のメモリ機能がない事だ。
つづく。。