なんとも言えない、評し得ないフォルムなのだ。
NikonのHPから引用
インナースイバルデザイン採用により、おしゃれでコンパクトなボディを実現。有効画素数 2.0 メガピクセル、光学 3 倍ズームニッコールレンズ搭載により、高画質な画像を撮影できます。デザイン、携帯性に優れたスタイリッシュなデジタルカメラです
果たして2002年当時はどう受け止められていたのだろうか?個人的な感想だが、ずんぐりむっくりしたオモチャみたいだ。総プラボディの安っぽさに加え、ロゴの下にデザインされたホームベース型のスタッズは、まるで少女向けアニメの変身グッズそのものだ(セルフタイマー時は光るし・・)。Nikonがおしゃれ押しで幅広い世代を取り込みたいという意気込みは伝わってくるが、それが形になるまでにはあと数年、Sシリーズの登場まで待たねばならなかったと思う。ちなみに引用文冒頭のインナースイバルだが、これも言い方の問題で、スタイリッシュさに欠ける。ただのスイバルの方が遥かに使いやすいのは明白で、上の写真の状態ではレンズが枠に隠れて撮影が出来ない。その上、この状態で電源を入れると、背面液晶にレンズを回転させろとアニメーションで警告してくる。慌ててレンズを回転させる様は、まったくもって恰好がつかないのだ。また、使い勝手も良くない。それなりにボタン類は付いているのだが、わかりにくい上に階層をたどる必要がある。これが果たしてNikonを使い慣れていない所為なのかは疑問である。フラッシュの設定も覚えてくれないので、起動の都度設定することになる。そして、なぜか表側は縦型デザインになっており、レンズ側を「上」としてしまったせいで、ストラップの位置が正面右側という使えない仕様になっている。これはNikonに限らずありがちな設定なのだが、縦型ならばレンズを下にする勇気が必要だ。そんなわけで数枚試し撮りをした後は、撮影意欲がわかずに鞄に入れっぱなしとなってしまった。
本機はジャンク専門店で転がっているところを拾い上げた。バッテリーは無く、動作確認も出来なかったが、これは動くだろうと考えた。その理由が下の写真だ。
デコってあった。シールの配置が大人びているような気もするが、子どもの仕業と読んだ。発売当初50Kはした商品である。それをお下がりだったとしても、子どもが使う場合、結構大事に使うのではないだろうか。ましてや飾りまでつけているのだから。。もっとも、私はそう考えるが、逆に子どもだったら雑に扱われたのではと思う方もおられるだろうから、これは集古趣味の取り組み方の問題だろう。結果として完動品だったので、次回も同じような考えのもと行動することになると思う。バッテリーは手持ちに合うものがなかったので、別途購入した。当然、本機(0.5K)よりも高かった。
メインスイッチもプラ丸出しでオモチャ感がある。シャッターは半押しが無いのかと思うくらい深く押しこむと半押しになった。半押しというより8割押しと言った感じ。コレは個体差かもしれない。
バッテリー、カード入れのカバーを開けた所。このカメラで唯一萌える部分だ。この仕様はガルウイング的で恰好いいと思う。メディアはCF。
レンズは換算で37~111mm、f2.7~4.8のニッコール。45度と90度、135度のところにクリック感があり固定できる。0度で撮影できないのは残念。・・・と、若干下げ気味に進めてきたが、BSS機能や多彩なシーンモードなどは意外と使えるのだ。写欲がわかなかった期間に終止符を打ったのは、この趣味の基本姿勢を思い出したからだ。カメラに合わせる。それが楽しくて始めた趣味であったはず。という単純なものだった。それからは一気に撮影枚数が稼げた。
撮影結果をPCで確認すると、画質の良さに感心した。どんな機材で撮ろうとも撮影結果が全てならば、本機はかなり満足出来るのではないだろうか。私の場合は、どんなカメラであるのかが大事なので、なかなか複雑なのだが、2002年200万画素1/2.7 型 CCDとスマホ以下のスペックでこの結果は素晴らしいと思うのだ。
いつもは右手にカメラを持つのだが、ストラップが逆なので、左手に持って歩く。その際、レンズは45度にしたままで、電源も入れたまま。こうすることで素早く撮影できる事が分かってきた。手順が確立すればストレスはなくなるのだった。
カラーも悪く無いです。いや、良いです。。
私にとっては、見た目のとっつきにくさと、仕上がりの良さのギャップを楽しめるカメラだった。
つづく。