蒐集趣味を始めてから現在に至るまで、漁場であるジャンク売り場に常に存在し続けているのがヤシカエレクトロ35です。全世界でシリーズ累計500万台売れたという記事も見かけましたが、とにかく出物が豊富な機種です。私も何台かピックアップして、レンズを取り出し一眼に付けられるようにマウント化した事もありました。いつしか私の中ではジャンクとYASHICAは切り離せない関係となっておりました。メーカーとしてのYASHICAは富岡光学の親会社で70年代にはカール・ツァイスと提携しコンタックスRTSを開発しましたが、’75年経営破綻。KYOCERAに吸収されます。そのKYOCERAは2007年カメラ事業から撤退し、YASHICAブランドは香港に流出してしまいます。今回紹介するEZF1231は、そんな時期に「2008 China C&E」で発表された機種です。こうしてデジタル時代にYASHICAブランドが生き残っていたと言うのは、それが形骸化されているとしても、良かったのかなと考えます。このようなブランドの一人歩きは良くある事。現在流通しているKodakのデジカメなども同様ですね。私はそれでも、一応は肯定してみる派で、カメラ好きとして楽しんでしまおうと考えております。てな事を偉そうに喋っているくせに、いつも通っていたジャンク専門店の軒先に美品レベルの本機を見つけた時は、所詮バッタモノだからなぁ・・と拾いあげるのをためらった記憶があります。最終的にはカメラ好きの思考が勝りピックアップするのですが、多少の無理矢理感は残りました。これが蒐集初期ならば喜んで拾ったのでしょうが、本機との出会いは晩期。しかも、バッテリー室を確認すると、所有してない専用電池を使用していると分かったので、電池も誂えなくてはならないという面倒もありましたから(結果、本機より高いし)。
私はどちらかと言うとゴチャ付いたデザインが好きなので、斯様にシンプルな感じは苦手ですね。撮像素子は1/1.8型CCDで有効1219万画素とハイスペック。レンズは35mm~105mmの開放F2.8~F5.1。SDで専用電池。
背面液晶は3.0型モニターと立派です。ただデジタルズームを使うとピンの具合を確認するのは無理ですね。AFは時代の割には遅めです。さらに少し暗いと途端に合いづらくなります。起動、終了は速い。ホールド感は良いのですが、ストラップを通す穴が小さくて、少し太いものだと通すのに苦労します。細めのものを用意した方が良いです。軽量、薄型なので携帯性は問題なし。
バッテリーを充電して、最初に電源オンにした時は正直驚きましたよ。何故ならメニューが見慣れた画面だったからです。
このポップなアイコン。。そして・・・
コイツら・・・。これって第15回で紹介した Polaroid t830と全く同じやん。。そう思って改めて背面側を眺めると、ボタンもその配置も同仕様でした。というわけで、プレイバックです。
ボタンは全く一緒ですね。生まれも共に2008年。他にもいるのか?有名ブランドの買い漁りか?
撮影結果はごく普通。細かく見れば、周辺が流れ気味とか減光してるとかありますが、普通。
マクロ。
海外のYASHICAブランドということで、多少の怪しい感じはしていたのですが、何も起こらなかった(←それでいいのです)。
カラーフィルターのネガ。色んなカメラについている効果ですが、初めて使ったかも。。「がーん」って感じですね。
意外だったのが、デジタルズームがそこそこ悪くない点。現代の「デジタルズームも悪くないね」という観点から見ると、全然ダメダメなんですけど、思ったよりは劣化してない気がする。古いカメラ使いすぎて分からなくなっちゃったのかな。はは。
この猫をもっと大きく写したいとデジズーすると、
こんな感じ。
こっちもやってみると
こんな具合。
使っていてあまりに普通だったので、普段使わない機能を使ってみましたけど、これはこれで発見があるものですね。私は基本的にデフォルトで撮影してますが、色々いじってみるのも面白いかもしれませんね。。それほど古デジカメに期待していないということもあるんですけど、そのカメラの限界を試してみるのも、たまには楽しい。
いつもの立木。
限界が試したくなる普通のカメラ。。そんなまとめなんですが、とにかくYASHICAのデジカメを使ったぞという事がヲタ的には大切なのです。。
つづく。。。